2024年3月11日月曜日

 美術館の春のオープンの準備のために一昨日から滞在しています。

ニューヨークは春の暖かさが近くなっていますが、雪の日にはスズメたちも寒さに50羽ほども朝飯のパンをもらおうと集まって来ます。

自宅のビルの管理人のテレルは「Dancing People」の作品に自分も参加したいと僕の仕事場でおどけて踊ってみせました。あらゆる人間を踊らせて、バカな苦悩に満ちた人間界を放擲したいと、戯画の世界をこれからも描いて行きます。

ニューヨークから羽田には午前5時に到着し、機上カメラにまだ真っ暗な滑走路に光る誘導照明に沿って、飛行機は綺麗に水平を保って無事着陸しました。着陸は毎回緊張の一瞬です。全行程ほとんど24時間の国際線と国内線の長旅を終えて、やっと待望の温泉で旅の埃を暖かい湯水が流し去ってくれました。

標高1000メートルの高原の美術館の静かな庭には春の気配の新芽が広がっています。見かけることの少ない珍しい「ジョウビタキ」のメスが一人で飛び回っていました。長旅をやって来た甲斐がある楽しい風景です。ジョウビタキはチベットやバイカル湖から長旅をして日本にやって来ます。鳴き声がカツカツカツカツと火打ち石を叩いて火を起こして火焚きヒタキをしているように聞こえることから命名されているということですから、太古の物語の鷹揚さがその柔らかな姿にも感じられます。(撮影・編集: 岡本)

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