美術館のホームページの作成を担当してもらっている梶原氏が、昨日11月2日の深夜から明け方にかけて阿蘇の根子岳登山を単独行で完遂しました。
9月から2ヶ月ほどかけて、阿蘇の寝釈迦の五岳の足の方から、烏帽子岳、杵島岳、中岳、高岳と徐々に4峰を制覇して来ました。最後に残ったのが最も難しいと言われる寝釈迦の顔の部分の根子岳でした。根子岳は美術館の展望台から見ると、一番左にギザギザの特徴のある天狗岩が見えます。
梶原氏はリッパな高齢者の部類に入る人ですが登山家ではありません。頭脳は明晰、特にホームページ制作やデジタル部門の全てを独学で最先端プロの域に達している人です。今回もスマホとGPS時計で登山中の位置情報をルートマップにリアルタイムで表示し、文字盤のルートの軌跡を確認しながらの万全の登山でした。
深夜暗黒の午前3時50分から大戸尾根登山口から一人で登り始めました。遠くニューヨークから、十分な計画と万全の機器で大丈夫とは思っていましたが、無事の帰還を同時刻に時計を見ながら祈っていました。
何しろ月も出ていない真っ暗な急坂の山道をヘッドライトだけで登りました。筋肉モリモリのスポーツマンでは全くなく、健康ではありますがむしろ普通より痩せ気味の頭脳労働専門の人ですから、その意志の強固さと用意周到さには本当に脱帽です。
真っ暗な山道を登ることほぼ3時間で夜明けの頂上に到達し、根子岳の象徴である「天狗岩」やその向こうの高岳、そして素晴らしい色彩の紅葉は下界では見ることのできない凄みがあります。山頂には空気の清澄さがみなぎっているのが写真からわかります。雲海には祖母山が浮かんでいます。雲海の光のあたり具合はやはり明け方の頂上でしか見られないものです。こういう空気の澄んだ凄みのある場所に座ってみたいものです。
何事にも徹底した準備と周到さを持っている人だけに可能な登山でした。
送ってもらった梶原氏の根子岳頂上の3枚の写真を載せます。
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