2020年12月31日木曜日

 岡本陸郎美術館ニュースレター  新年2021年に向けての号

多くの問題の有った2020年も新たな年2021年を迎えようとしています。2020年はコロナの危機とともに愚劣なポピュリズムの引き起こす危機が民主主義世界の大きな問題であることを明白にした年でした。

小学校低学年の低脳の破廉恥なポピュリズムに進んでこうべを垂れて、あたかもナチスファシストや中世の独裁専制に期待する遅れた人々が確かにアメリカには半数近くが今もいます。アメリカの民主主義は世界に独自の生誕を244年前にしたにもかかわらず、常によろめきながらも終わりのない完成への道を歩んで行きます。人はみな異なる出生をしている事実を握りつぶそうとする意識が一方には存在しています。一党独裁の支配者による一見一枚岩の頑強な組織は実は異なる意見の殲滅や粛清による権力闘争によって維持されています。人間には全てが平等という民主主義にしか未来はなく、それ以外は恐怖、強権政治による隷属の社会しかありません。2020年はこの事実を明らかにした年でした。

しかし、これに比べ自然はもっとずっと大きなものです。人間のこれらの問題も46億年の自然界から見れば大自然のごく一部の小さな問題にしかすぎません。

しかしまた人間の作り上げて来た人工物は今や物理的に地球上の全生物の重量と同じだけの重量を作ってしまっています。このまま行けば地球上は単色のモノクロームの人工物によって覆われてしまいます。総天然色の大自然もこの小さな地球では限界があり、この100年ほどの間にどんどん人工物によって侵食され、ついには覆い尽くされてしまう日も近いのです。プラッスチックやコンクリートもその一部です。その際限もない膨張を止めなければならないというのは実に人間にとって急務です。あまりになんの制限もない経済的なプラス成長ばかりを目指している人間社会は限界を知らねばならない日に直面しています。

私はあくまで社会活動家ではなく、芸術家として芸術作品を制作する日々を半世紀以上に渡って静かに生きています。自然界の一部として生きることしか芸術家の生きる道はありません。大自然を構成する生物界、風景、人間について常に考えながら日々を制作しています。美術館で続けている「野の花遊歩道」や「ふるさと」の連作や、またニューヨークで続けている「Dancing New Yorkers」の連作もその一つです。人間界のはかない時代による変転に動かされることなく、今日も助手の犬のムク、公園のリス、スズメ達と芸術家として生きることをニューヨークに集中して続けています。このペースであと300年ほど生きることができれば生涯の目標も達成できるかと考えています。

美術館は今年はコロナ危機を絶対に広げないという強い意思で、休館を続けています。ワクチンの一般人への普及も進んでいます。来年2021年には2006年の開館以来15年目の美術館の開館をして行くことを予定しています。

皆さまも、どうかコロナの危機をしのいで、良い新年をお迎えになりますよう、心よりお祈りしております。

最新のニューヨークでの2、4メートルx90センチの連作「Dancing New Yorkers」は www.rikurookamoto.com のサイトを開いて「Dancing New Yorkers」のページに進むと写真を見ることができます。

この美術館ニュースレターは個人情報守秘のためにBccでメールで発送をしています。ご連絡などがおありの場合はメールアドレス、 rikurookamoto39@gmail.comへメールをお願いいたします。

2020年11月27日金曜日

美術館は3月以来コロナの感染を広げないために、強い意志で休館を続けています。ワクチンも間も無く完成が視野に入って来ています。日本は第三次の感染が広がって非常に懸念されますが、なんとか 感染者、死者の数を抑えていかねばなりません。

アメリカは混迷を続けていると報道されていますが、混迷は全て一人の愚かで、アメリカの民主主義の歴史に恥辱の4年間を残したTによっています。オーム真理教の麻原や、ヒトラーのナチスファシスト政権にやりたい様に任せた様な無責任な最低の4年間でした。しかし政権が変わって、アメリカもやっと正常に立ち戻ろうとしています。民主主義の最も真の意味での歴史を持つアメリカを選んで私はやって来て、住み芸術家として半世紀に渡って仕事をしています。実にアメリカにとって汚辱の最悪の4年間が終わりを告げようとしています。こんな下らないブザマな日々の4年間は過去のものとして葬り去らねばなりません。

芸術家として日常である創造と集中の日々を50年以上、今日も継続しています。公園にはリス、スズメ達が私の親しい助手として毎日待っていてくれています。(撮影・編集:岡本)

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2020年10月29日木曜日

 今年はコロナ危機を広げないために、美術館は休館を強い意志で続けています。アメリカもヨーロッパも感染の再拡大が起こって止まらない状態です。根気よくワクチンの完成を待つより無いようです。

1969年以来50年以上住んで仕事をしているニューヨークでは、マンハッタン26丁目の住居に1978年から、42年間住んでいます。ここで「動く岩」や絵画作品の制作を続けてきました。引越しをすることもなかったので、集中を切らすこともなく日々静かに仕事に専念することが出来ました。

多様な人間の各個人の生きる様を見つめていると、地球という惑星に生まれている生物の全てに共通する、はかなさと面白さを見ることが出来ます。この数年の「Dancing New Yorkers」の連作は2、4メートル x 90センチの画面に、半世紀に渡って身の回りに実際に出会ってきた多様な人々を描くことを続けています。無数の個性ある人々がこのニューヨークという街にはうごめいて、人種や貧富に関わらずホームレスから老若男女の全てが苦悩や喜びに満ちて生きている様を捉えようとしています。実は日本の人々にも全く同じものを見ることのできる普遍的な人間の姿です。

人々はあたかも無限の宇宙空間にポーンと投げ出された星々のように、瞬時の偶然の時間を舞いながらどこに着地するのかさえ知らないままに浮遊して生きています。

それを面白いと見るか、現実の厳しさと見るかは意見の分かれるところです。芸術家はただ冷静な何者にもとらわれない瞳で見つめるばかりです。

私は小中の子供の頃からセザンヌの作品の模写を一人で繰り返していました。身近なよく知ったリンゴやナシや故郷の山を生涯毎日描き続けたセザンヌの制作の姿勢こそ芸術家として至高のものです。芸術はほんの数年の浮き沈みではなく、生涯を通した芸術家個人の思考と実験と挑戦の戦いの記録です。

これまでの作品や新作のほぼ全ての作品の写真を、ホームページサイトで見ることが出来ます。www.rikurookamoto.com です。  (撮影・編集: 岡本)

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2020年10月13日火曜日

 美術館はコロナのために休館を続けています。信頼できるワクチンが完成して誰にでも行き渡るまで、事態は3月、4月の最初の状況と全く変わっていません。腰を据えて本気でコロナ危機を乗り越えて行くよりありません。

休館中の美術館に宮崎さんと手嶋さんが事務処理の仕事に出かけてくれて、「野の花遊歩道」の写真を送ってくれました。去年から苗を植えているブルーベリーの実がなって来ています。マユミは秋の実が枝にくまなく出来ています。むかごは山芋の肉芽で、むかごご飯にして食べるのは日本の歴史ある食料ですが、いつか食べてみたいものです。夏から咲いていたコスモスが秋の昆虫を乗せて咲いています。日本各地どこにでもあたかも、ふるさとの花のように咲いていますが、日本に住み着いた外来の親しい花です。

同じ頃ニューヨークでは、秋の早朝の公園に、朝日による濃い影を地面に引き連れたリスが朝メシのヘーゼルナッツをもらおうと遠くから走って来ます。私の朝飯前のいつもの静かなひとときです。(撮影:宮崎 ・ 岡本  編集:岡本)

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2020年9月27日日曜日

 アメリカは新型コロナにより死者数が20万人を超えています。科学的な思考を全く受け付けない無能な政権によって、死ななくても良い人々が亡くなっています。

美術館は感染者を出さないという強い決意から、休館を続けています。休館中の美術館に宮崎さんと手嶋さんが出かけてくれて時々事務的な仕事をしてくれています。今を盛りのヒガンバナの鮮やかな日本の色彩を送ってくれました。

ニューヨークでは、早朝7時頃のあまり人気のない公園に、リス、スズメにムクと会いに行っています。ちょっと肌寒くなって来た秋の地面に朝日が斜めの光と影を作って、毎朝の静かな集まりを照らしてくれています。40年以上になる仕事の前の毎朝の散歩です。(撮影:宮崎、岡本 編集:岡本)

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2020年9月20日日曜日

 美術館はコロナ危機のために残念ですが、休館を継続しています。

台風が去った後、豪雨が続いていますが、大雨の合間に、受付を十年以上担当してもらっている串山氏が美術館に出かけて、「野の花遊歩道」の写真を撮って送ってくれました。

芭蕉44才の句に「さみだれに鳰の浮巣を見に行かん」鳰、にお、はカイツブリのことで、五月雨の雨をついて、カイツブリの浮巣を見に行こう、という芭蕉の心意気を歌った一句です。天気の良い時でなく、わざわざ雨をついて見に行く、そこに俳諧の諧謔と軽みがあり、芸術家の心意気があります。

串山氏も雨の合間に出かけたことによって、素晴らしい自然に出会い、写真を撮って送ってくれています。ベニシジミは春から夏、秋と季節が移って行くと、明るいオレンジ色からレンガ色のベニの色になっていきます。9月の彼岸の頃に咲くヒガンバナは去年、南小国町の斎藤さんが苗を植えてくれたのが、すっかり根付いて、列になって鮮やかな花を咲かせています。雨の水滴が花に映えて、天気の日には見ることの出来ない世界が広がっています。マルバハギの微妙で精妙な花弁の重なりに雨滴が豪華な形体と色彩を加えています。(撮影:串山 編集:岡本)

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2020年9月15日火曜日

 美術館はコロナの感染を絶対に広げないという強い意志で休館を続けています。

アメリカのコロナ危機はまだまだ混迷を続けています。アメリカ人は自分はが悪くても絶対に謝らない。日本人は自分が悪くなくてもすぐに謝ってしまう。日本人の美徳がここにあります。アメリカはつくづく無知、ゴーマンで下らない低劣を大統領としているために、無駄に数万人もが死亡して行っています。それをまだ支持しようという無知な大衆が右往左往しています。

リス、スズメ、犬猫の素晴らしさがここにあります。

日本が欧米を手本として今の体制を作り上げて行った、列強の中で生き残るには仕方なかったという歴史の主張は、全く誤りでした。日本のコロナ危機もアメリカ同様に明るいものではありません。

全米オープンで大阪ナオミが優勝しました。大阪ナオミは自分のテニスをかけて、個人的な体験に基づく主張をせざるを得ませんでした。政治的な主張のような下らないものではありません。彼女にとって生死をかけた個人的主張です。それに私は強く共鳴、共感しています。アメリカの現場にいないとわからないことでしょうが、、(撮影・編集:岡本)

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2020年9月10日木曜日

 美術館は4月以来、コロナ危機のために休館を続けています。

アメリカはまだまだコロナ危機は全く混迷を続けています。死者、感染者数共に気の緩みもあり増えづづけています。

台風10号が巨大化して、非常事態と言えるほどの厳戒の中、日本に接近して誰もが緊張していましたが、台風9号が少し前に通り過ぎた為に海水温が2度ほど下がって台風10号が急激に弱まって通過しました。今回の台風は幸運にも予報を外れたのですが、これから10月にかけて例年台風がまだまだやってきます。

地球温暖化の影響で台風の大型化や豪雨の襲来がこの半世紀で急激に進んでしまい、人間の力ではもはやかなわないところまで行ってしまいそうです。地球環境の人間による変化がこれ以上は許されないところまで来ています。

 

台風一過のあとの美術館に、美術館ホームページの作成を長年にわたって担当していただいている梶原氏が出かけて様子を見て来てくれました。「野の花遊歩道」には平和に青空が澄んで、マツムシソウの上にオレンジ色の蝶ツマグロヒョウモンが蜜を吸っていました。マルバハギの花には黄色のモンキチョウが止まっています。梶原氏は私、岡本と同様にチャレンジ精神の旺盛な人で、50才近くなってホームページ作成という全くそれまで誰も経験のない分野に独力、独学で挑戦し、開拓した人です。一種の異能の人と言えます。九重町役場や温泉施設のホームページ、ポスター作成など一手に引き受けて、いつも3人前ほどの仕事をこなして忙しく働いています。敬意を持って見守っています。

美術館ホームページには「ふるさと」のページに梶原氏を描いた作品が載せてあります。http://www.rikurookamotomuseum.com/hometown.htm です。

(撮影:梶原氏  編集:岡本)

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2020年9月5日土曜日

 アメリカのコロナ危機は9月に入り、大学の学生が構内に帰って来て、マスクなしで再会を喜んでパーティーをして、感染を広げています。時間が経つにつれて、気が緩んで全く根拠のない安全感が広がっています。ニューヨークのレストランは街路にテーブルを出してそこでの食事はオーケーになっていますが、全くの対面食事で、これではコロナは収まりません。

受付を長年担当してくれている宮崎さんが休館中の美術館で、庭の「野の花遊歩道」に咲いている、コオニユリ、ワレモコウ、マツムシソウ、ハナトラノオ、ススキなどの写真を撮って送ってくれました。「野の花遊歩道」は今年で4年目に入って、皆元気に咲いています。マツムシソウは2年目に南小国の斎藤さんが苗をいくつか植えてくれたのが、すっかり根付いて、繊細で複雑で華麗な花を集団で咲かせるようになりました。斎藤さんは花の知識、経験が深く「野の花遊歩道」の重要なブレーンです。宮崎さんの姪は草花の名前は全て知っていて、重要な知識を提供してくれています。いろいろな人の協力があって、野の花達も安心して成長をしている姿を見る事ができるのは、本当に嬉しい事です。(撮影:宮崎 編集:岡本)

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2020年8月30日日曜日

 コロナ危機はまだまだ、先が見えていない状況です。日本各地で感染者数が増える勢いが止まっていません。

美術館は、決して感染者を出さないと、休館を強い決意と意志で続けています。なんとかワクチンの完全な完成が完了して、誰もがワクチンを接種できる平和な日が1日も早く来ることを祈っています。

東京の重松ご夫妻様より、私、岡本の小学校1年から絵画を教わった、松永光玉先生の残された作品を長年大切に所有されていた重松武彦氏の、先生の作品を世に残しておきたいという御遺志から、写真を送っていただいて、岡本陸郎美術館に寄贈をされたいという、御申し出がありました。

どなたかに取りに来てもらえたら、という申し出をいただいて、コロナ危機の中を私の小学1年からの同級生で松永先生の画塾にも一緒に親しく通っていた、海老根氏がご夫妻で車で重松氏のご自宅に伺って、横78センチ、縦98センチというかなり大きな大切な作品を受取ってもらいました。

松永先生の芸術家としての真摯な姿勢が、こうして松永先生の画塾から70年も経って多くの人々の心を動かしていることに、先生の真直な人柄の柔らかさと大きさを強く感じました。美術館にはすでに、先生の「爽」という83歳で制作された二曲一双屏風が、2006年6月10日の美術館開館の時から、先生のご家族の、 私の小学校1年から4年の同級生れい子さんとその兄上から寄贈をいただいて、常設でずっと2階の展示室に展示されています。

先生は、この1、5 メートル x 3メートルの大作「爽」を制作されるにあたって、波の白の発色のために、宝石並みの高価なプラチナを惜しげも無く下地にふんだんに貼り詰めて用意され、、その上で描き始められました。完成作品を見る人々はそのプラチナに込められた先生の凄まじいほどの芸術への熱意に気がつく人は稀です。真の芸術家は一般の人々の価値観を大きく超えて、ほとんど無用ではないかと思えるほどの、一種おかしみさえ伴った熱意の集中というエネギーを全て注ぎ込んでいるその姿は、下地の部分にほんの少しチラとしか見えませんが、そのまさにドン・キホーテの何者にも屈せぬ熱意こそが、芸術家の生きる糧であり、この人間世界の吹けば飛ぶような日常の連続の中で、キラリと光って人の心を打つことのできる真剣のような切れ味を見せて、こうして70年後の次の世代の人々の心を打って、誰もが自ら進んでその残された作品に胸を打たれる事をいとわぬものとなります。

私は幼少の頃から、大学在学中の先生と二人だけの10日間の長野県への写生旅行や、先生の日々日常の制作の姿をすぐかたわらで見ていました。私が1969年からの50年にわたって、遠く太平洋を越えてニューヨークの地にありながら、今も日々10時間製作に集中して、全く倦む事なく、揺れることのないのは、先生のこの芸術への人一倍の打ち込み方と、それを見ていた私を先生が自分を継ぐ者として、亡くなるまで家族、親族のように親しみの近さを持ち続けていただいたことに、私も芸術家として徹底したドン・キホーテぶりを安心して、今でも続けていられるエネルギーを受け継いでいます。

寄贈していただいた作品「日光華厳の滝」は、来年コロナの収束後に私が美術館に到着を待って、美術館に運ばれ、「爽」の隣に並べて展示されます。重松武彦氏と、重松氏ご夫妻、海老根氏ご夫妻のコロナ危機をいとわない御努力に、ありがとうございましたと、最大限の敬意と感謝をいたします。(撮影:重松氏、梶原氏  編集:岡本)

美術館ホームページの松永先生作品の2階展示室のページは:http://www.rikurookamotomuseum.com/upperfloor.htm  です。

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2020年8月20日木曜日

 日本もアメリカも、コロナに政府の主導する対応が、後手後手に回って、またそれに一喜一憂しながらつい気を緩めたりする人々が多いために、アメリカは感染者が545万人、死者が17万人という途方も無い数字になってしまっています。

ワクチンが完成して、すべての人に行き渡るまで、いかなるコロナ対策も効果がなく、安全になったわけでは、科学的に見て、全く寸毫もありません。これを忘れてついマスクを外したり、会食をしてしまえば、あっという瞬間に誰でも差別なく感染します。そして感染すれば誰もが大切な家族を含めて死亡するという可能性に直面します。どうか、寸秒もこれを忘れることのないように、心からお願いいたします。

美術館は何が起こっても、ワクチンがすべての人々に行き渡って安全が確認されるまで、強い意志を保持して、休館を続けていきます。安全が本当に確認されれば、即座に、芸術の真の姿を理解してもらうという、美術館の使命を継続して、オープンして行きます。来年春3月、4月までに、なんとかワクチンが完成をしてもらいたいと心から願っています。

 

美術館のホームページ の作成を担当していただいている梶原氏が写真を撮って下のメールを送ってくれました。

瀬の本午前11時半くらいの気温が31度です
仕事で瀬の本を通るのでついでに美術館の点検をと思って駐車場より下って行くと
何やら美術館宿泊棟前あたりの藪の中で誰かがビーバーを
てっきり業者の人かと思ってよくよく見ると串山さんでしたビックリしました
浄化槽の点検があるので草刈りをしていたのだそです
とにかく水を飲むよにと言って別れました
一枚目の写真に串山さんが藪に同化しています)」

 

写真の串山氏は美術館にもう十数年も受付を担当してもらっています。時々はこうして美術館の「野の花遊歩道」や庭の手入れをしてくれて、もうほとんど美術館建物や庭の野草や藪や草花とほとんど同化して溶け込んでいる人です。私、岡本も美術館に滞在中はいつも庭や「野の花遊歩道」の草花に溶け込んで同化して自然化しています。こういう肉体労働に 串山氏と一緒に庭に溶け込んで、早朝6時からスタートしてまだ太陽の猛暑にならない朝のうちだけ、汗を流し働いています。梶原氏のメールに書いてあるビーバーというのは、刈り払い機で、私も美術館には専用の金属回転歯のもっと危険度の高い刈り払い機を持っています。串山氏の手にしている刈り払い機は危険度が少し大丈夫な、回転歯がゴムの25センチくらいで、串山氏の音楽家の姉さまから借りて使っている高級な刈り払い機です。

今日、8月18日は、美術館周辺は快晴の天気で、よく見ると中岳に白い噴煙がほんの小さく上がっていて、阿蘇も時々は噴煙を遠慮なくまき散らして困っていた住民も多かったのですが、この夏は機嫌を直して柔らかな表情を見せています。キキョウの花の鮮やかな青紫が目に染みるように思えます。コオニユリは毎年自分から自発的にこんな贅沢な見事な花を幾本もあちこちに勝手に成長させて咲いてくれます。全く大自然というのは、コロナなどどこ吹く風です。その悠々とした大自然のこのふるさとの地に恵まれていることは、驚くばかりにただ幸運なことと感謝するばかりです。(撮影:梶原氏 編集:岡本)

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2020年8月10日月曜日

毎年、夏の7月から8月にかけて、「映画と星空の会」を催して、4本の映画を壁面にプロジェクターで巨大スクリーンの壁面に、有志の方たちと一緒に鑑賞しています。

その「映画と星空の会」の趣旨は、美術館のホームページの催し物のページに以下のように載せてあります。:

 

『岡本陸郎美術館では毎年夏の恒例となりました、「映画と星空を見る会を開催しています
映画は開催日の土曜日通常の閉館時間である午後4時半の後に午後450分から上映します
上映映画は岡本陸郎が世界と日本の次の世代に残しておきたい本当に価値があり面白さに満ちているとする作品だけを厳選して上映しています
天気が良ければ映画鑑賞の後で満天の星空のもとで広大無辺の宙への思いを馳せる会を行っています
映画は下らないものが万と有りますその中にこれは素晴らしい残す価値があるなといものは100本に一本有るか無いかですその素晴らしい作品を美術館とい芸術の高度な完成を目指す場で志を同じくする美術館の友の会のメンバーが各作品を一度だけ鑑賞しています映画鑑賞と星空を見る会どちらも無料です
美術館の友の会にはどなたでも参加できます。』

 

この同じページには、これまで上映した四十数本の映画のリストと、その内容を映画の主題となる惹句を1行で表現しています。興味のある方はじっくり読んでください。Aクラスの本当に面白い、映画とはどういうものかが、読めてくる人もいるでしょう。

ページは、http://www.rikurookamotomuseum.com/movie.htm  です。

 

私はニューヨークでも、長年にわたってテレビは全て2、4メートルx90センチのプロジェクターによる巨大画面で映画も映画館なみのクリアな画面で見ています。

子供の頃から週に1、2本は映画を必ず映画館で見て来たので、コロナの今、外出はできませんが、自宅で食事の時は映画館なみの映像で、映画やニュースを見ています。

プロジェクターはエプソンがオススメです。他の会社にない、斜めから写しても画面が正しく長方形になる素晴らしい補正の発明の機能が付いています。

 

今年も新たな映画4本を上映の予定でいましたが、コロナ危機のために、日本への航空便飛行機が普段の10%しか飛んでおらず、またアメリカからの到着した日本人は検査を義務つけられ、たとえ陰性でも2週間の東京での自主隔離を義務つけられています。また新幹線や国内線飛行機やバスの公共交通機関使用も禁じられて、事実上、美術館に到着は不可能になり、今年は残念ながら美術館は、感染を誰一人広めないように、強い決意で休館を続けています。日本やアメリカの政府がだらしなく、フラフラと全ての決定に中途半端なのは実に情けないことです。これでは、来年もどうなるかと懸念が増してしまっています。

ニューヨークでは芸術家としての作品製作は全く普段と変わりなく順調に日々いつも通り、着々と仕事を進めています。クリックすると大きく見えます。(撮影・編集:岡本)


 

2020年8月3日月曜日

東京などの都市での感染者爆発が連日続いています。まったくこれからの収束が誰にも見えていない状態が続いています。

美術館は休館を続けていますが、正しい選択だったという意見を多数頂いています。

ニューヨークやアメリカがまた途方も無い数字で、そのためにANA,JaLの国際線の本数は普段の10%以下になり、日本への往復は全く見えない状況です。

 

しかし、芸術家として、日々生きていくことは普段から50年以上にわたってこのような状況はあらかじめ用意をしています。ニューヨークでは、6時45分には毎日起床し、一日が開けて行きます。

美術館滞在中も普段から自炊の夕飯を食べた後はすぐに就寝、早朝4時か、5時には起きて一人で阿蘇の大平原に出かけています。まだ誰もが眠っている真っ暗な平原に朝露に濡れた車のフロントグラスをワイパーで拭きながら、静かに車を出発させます。常にこの連続の50数年でした。これからも続けていくでしょう。

今年は32.5センチx1、8メートルの「阿蘇大観峰爽霧」の作品を完成させて展示してありますが、まだ観客は今年はありません。

芸術は、この1、2年のことではありません。来年、再来年、数百年の単位の仕事をしています。(撮影、編集:岡本)

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2020年7月26日日曜日

東京や大阪でコロナ感染者数が再び大きな数値になって来ています。

美術館は休館を続けています。受付担当の方たちの美術館関係者や、訪問される入館者からとにかく感染者を確実に出さないためには、残念ですが、休館を続けるのが最善という判断から、周囲に流されることなく、強い気持ちを持って休館を続けています。

 

受付担当の串山氏が美術館に出かけて、「野の花遊歩道」の花たちの世話をして、写真を撮って送ってくれています。九州は豪雨がまだやんでいません。雨の露に濡れながらカワラナデシコが元気に例年通り咲いています。嬉しいことです。美術館のカワラナデシコはピンクと白の両方が毎年咲いています。白のカワラナデシコは野原ではあまり見たことがない珍しいものです。(撮影:串山  編集:岡本)

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2020年7月15日水曜日

九州は目下、豪雨による崖崩れや浸水などの大きな被害が続いています。大分県、熊本県も緊急避難命令が出されて、来週まで雨は続きそうです。串山氏が時々、休館中の美術館に出かけて、様子を見て来てくれていますが、海抜1000メートルにあり、浸水や崖崩れなどの被害はなく、無事とのことです。美術館関係者の皆さんも、目下は続く豪雨の大変な毎日を耐えていますが無事とのことです。

アメリカはコロナ感染者と死者数はまだまだ増加しています。まだまだ毎日自宅に蟄居して仕事に集中する毎日です。
毎朝6時45分に起きて、ムクを連れて近所の早朝の静かな公園に、リスとスズメに会いに行くのは、全く平和なひと時を彼らと共に過ごすことができます。40年以上続けていますが、毎年、6月から7月にかけて、スズメの親は幼いヒナを連れて来ます。スズメのヒナはクチバシの両端が黄色く、幼さを残しています。この黄色は幼少期を終える10日ほどで消えていきます。毎朝食パンを3枚持って行きますが、30羽も集まって来ると、すぐ食べられて、気をつけないと、帰りの道にまで何羽かが追いかけて来て「もう無い、また明日、また明日」と言いながら逃げて来ることになります。
彼らにパンをやるのは、どうも幼い子供の頃に疎開していた田舎の、近所の家の居間の囲炉裏で、膝を揃えて、じっと食べ物を待っていた記憶が、まるでスズメが自分のことのように思えて、あの幼い自分自身にやっているような気がしています。(撮影、編集:岡本)
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2020年7月8日水曜日

 アメリカでは新型コロナの感染者数が300万人、死者は13万人を超えるという、全く信じがたい数字で、しかも増え続けています。愚かな指導者による悪政がこれほど顕著に死者数に現れた時代はこれまでなかったことです。
日本も東京をはじめ、気の緩みがこれから第二波として、今度は地方にまで及んで来そうです。コロナの危機ばかりでなく、今年は、九州の各地で大雨の被害が続いています。
美術館は大分県と熊本県の県境にあります。熊本県の小国町は美術館から30分で、受付を担当していただいている方達が住んでいますが、1時間に110ミリの大雨による被害で道路は土砂崩れと水害により分断され、まだ無事で大丈夫とのメールをもらっていますが、避難勧告も次々に出されていて、全く気の抜けない状態です。 ニューヨークで見ている日本語放送のテレビ放映にも熊本県小国町や大分県玖珠町の被害が次々に映像で出て来ています。無事にこの大雨の日々を過ごしてもらえるように祈るばかりです。

去年2019年の7月の今の時期には、美術館の「野の花遊歩道」には、ヤマアジサイが雨の多い季節を告げて咲いていました。ヤマアジサイは西日本、九州の地域によって形態、色彩の異なる種類も多く、自生しています。美術館のヤマアジサイは特にみやびな味わいの中間色に気品があるように思います。細部を見ると実に変化に富んだ品格があります。今年も休館中の美術館で雨の中を静かに咲いているに違いありません。ここにもう一度写真を載せておきます。
(撮影;手嶋、岡本  編集:岡本)
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2020年6月30日火曜日

日本や各国で規制緩和が進んで、また再び感染が拡大していく傾向があります。
まだ治療法も発見されず、ワクチンの一般への使用は先の模様です。ちょっとした油断が感染につながり、重症化して、死に至ることも多くあります。
美術館は感染を広げないために、強い気持ちを維持して休館を続けています。

美術館の立体作品展示室には、「動く岩」「動く立方体」が展示してあります。これらはニューヨークのアイバン・カープのOK Harris 画廊や、カトーナ美術館で数回の個展を行なって、その後長く手元にあった作品を2006年に日本の美術館に運んで展示した作品です。米国では、永久設置をしてきた「動く岩」の作品が、シカゴやロチェスター、コネチカットなどに、デビッド ・バーモントが所持していたビルのロビーや広場にあります。 コレクターのバーモントとは「動く岩」を彼のママロネックの自宅や所有のビルに設置するために、その頃何回か一緒にその現場に飛行機で旅行をしました。機上で彼はワインやシャンパンなど飲んでいましたが、私はアルコールは飲まないし、機上の窓からの移り変わる雲の数々を写真に撮るのに忙しくしていました。これらの数千枚の雲は、動く岩作品の後、上空から見た雲と地上の動植物を描いた絵画作品として連作を完成させています。常に次の作品の構想とその制作、完成に没頭してきた50年でした。バーモントは、酒は飲まないし、窓から外ばかり休まず写真を撮り続けている芸術家に、わからんという顔をしていましたが、こっちは勝手にやっていてくれと、それどころではなく制作に忙しい毎日でした。
2006年に阿蘇の寝釈迦が手招きをして美術館建設を呼び寄せてくれるまでは、日本には9年、5年、10年に一回という間隔で帰っていました。2006年以降は美術館に春と夏の2回帰ってきて、阿蘇の近辺をフルサトと出来る幸運な僥倖を楽しんでいます。
今もコロナによる自宅に穴居生活を続けていますが、日々10時間は新たな絵画作品の制作に集中する生活は全く変わっていません。健康が許せば百数十才から数百才まで生きて制作を続けて行ければ、生涯追求してきた理想の作品が描ける日に一歩でも近づけるかと思っています。

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