ニューヨークは食料品や薬関係の店以外は全部強制的に閉じていて、レストランも全部閉鎖し、テイクアウトの注文だけ、つまり人が集まってテーブルで室内で食べるということを出来るだけなくして、感染を防ごうとしています。配達の人だけは忙しく大量の荷物を運んでいて、他の人は皆自宅でじっとして外出はほとんどしていない状態です。まだ散歩は可能なので、ムクと公園に行っていますが、公園は風通しが良く、最高です。人と集合したりちょっと会って話すのも感染の原因になるので、非常にみんな神経質になっています。
スターバックスのコーヒーもテイクアウトだけで、店は椅子を取り払っています。ウイークデイなのに、会社はどこも休みで働きに出てくる人もいないから街は閑散としています。一種の戦時下のようになっています。爆弾が落ちたりしないのだけ助かりますが、どこかに異常な緊張感のある静けさです。我々も食料品、消毒薬品を相当備蓄してできるだけ外出しないようにしています。まだ終わりの見えない戦時の日々です。
当初の予定では、今春の美術館オープンのために、昨日の朝ニューヨークを出発し、太平洋を飛んで13時間後成田に夕方着、成田のホテルで一泊し翌朝、福岡空港に向かい、夕方美術館に到着の予定でした。ニュースでは成田空港は全く閑散としているようで、到着しても、入国がスムースに行くのか、途中コロナに感染しないか、飛行機はちゃんと飛んでいるのか、無事美術館に到着できるのかなど気がかりが山積状態、帰りの5月の飛行機も到着したアメリカでは各国からの入国をすでに拒否し始めていて、日本からの入国拒否も有り得ます。美術館を4月1日に例年通り春のオープンが出来ないのは残念ですが、世界的な危機的緊急事態でやむをえませんでした。
ニューヨークに桂子と犬のムクだけで、この緊急事態の日々を送らせるのも相当なリスクでしたから、キャンセルは正しかったようです。
桂子の教えているコロンビア大学の授業も、大学を全部閉鎖してしまい、生徒は全員、アメリカ地方の故郷や留学生はそれぞれの国に帰り、パソコンでスカイプをもっと複雑にした映像付きで授業をすることになりました。15、6人の授業で急遽その準備に新たなソフトのテクノロジーを習得したり、いろいろしています。家の中で授業はするので、背景に余計なものが見えないように折りたたみ式の大きな白い軽い移動可能な屏風を、20年前友人アーティストのジャックが亡くなったときに形見分けでもらった大きな白いキャンバス2枚で急いで作りました。その中に入って授業をします。中国など世界中どこでも同時に授業は受けられます。パソコンの進歩はこの数年でも大変なものです。
私は50年以上毎日仕事の日々だったので、特に変わらないでいつもと同じペースで仕事をしています。日夜、全くアルコールは飲まないので、バー飲み屋などの喧騒とは無縁の、仕事に集中した忙しい生活を続けています。
近所の23丁目の広場には天気の良い日には、新鮮な空気と風を求めて人々が互いに離れた距離に座って陽だまりに日光を浴びています。バイクでの配達人はマスク、手袋、消毒薬でコロナ対策の重装備をして、ちょっと離れたテーブルで昼飯を食べています。彼らの家族の生活は、配達という彼一人の肉体労働にかかっているので、感染はぜひ避けたいという最大限の努力が伝わってきます。
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