明日9月7日土曜日には小津安二郎の「浮草」を上映します。「浮草」は若い頃に作った作品に満足できないで、1959年に自らリメイクしたカラー作品です。物語の細部にまでユーモア笑いと現実を見つめる小津の冷静な眼光が行き届いています。小津の作品の世間的評価の基準が、これまでほとんど笑いの要素が欠落しているのは、残念なことです。小津が若い頃から取り入れて来たハリウッドの映画や数々の経験の集積の面白さが、
生涯最後の4、5年に製作した1961年「小早川家の秋」、1962年「秋刀魚の味」とこの1959年「浮草」の3作に小津の代表作の円熟と完成がなされています。1963年突然癌を発症し60才で亡くなっています。
この映画「浮草」も快調な音楽と、自由とやんちゃな稚気にあふれた笑いが最後まで崩れないのが小津の柔らかさと大きさであったことを見てもらい、芸術とは、創作、ものを創るとはどういうことなのかに思いを馳せてもらえればと思います。
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